躁うつ病とは

気分が著しく高揚する躁状態とうつ病でみられるうつ状態(抑うつ気分、意欲低下)の全く正反対ともいえる2つの気分障害が交互に繰り返されている場合、躁うつ病(双極性障害)と診断されます。発症の原因は、うつ病と同じく、ストレスの蓄積や遺伝的要因によって引き起こされると言われています。
なお、躁状態につきましては以下のような症状を言います。うつ状態の症状については、うつ病でみられるうつ状態とほぼ同様です。

躁状態でみられる主な症状

  • 度を越えて元気である
  • 異常に社交的である
  • 次から次へと早口で話すようになる
  • 不機嫌で怒りっぽい
  • 自分に異常な自信を持っている
  • 寝なくても元気
  • アイデアが次々と浮かんでくる
  • じっとしていられない
  • 散財(衝動買い、賭け事など)等をしてしまい、社会生活に支障をきたす など

若年層では再発のリスクが高い

躁うつ病では、躁からうつ、あるいはうつから躁に切り替わっていく間は、正常な状態であることが多いです。ただ稀ではありますが、正常な状態を経ることなく両極端の症状に切り替わることもあります。この躁とうつが交互に繰り返される状態は、3~6ヵ月程度続くとされていますが、発症年齢が若年層であればあるほど、躁うつ状態の期間は短くなり、再発するリスクは高いと言われています。

なおこの疾患は、双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害に分類されますが、これらは躁病の程度によって異なります。
双極Ⅰ型障害は躁とうつを周期的に繰り返し、躁病相においては、社会的行動障害がみられることも少なくありません。
双極Ⅱ型障害は短くて比較的軽い躁状態(軽躁状態)と長期にわたるうつ状態を繰り返している場合を言います。
いずれにしても気分安定薬を中心とした処方に、状態に応じて抗うつ薬や抗精神病薬などを組み合わせて、躁でもうつでもない、程良い状態の維持を目指し、内服薬を随時調整します。難治性のうつ病の方の中には双極Ⅱ型障害の方も少なからず存在していると言われています。